擁壁・がけ崩れ110番
土地契約 、知らないと損する大切なポイント


擁壁に時限爆弾が仕掛けてある!?!?

もしあなたが買った土地に、想定外の事態が判明したらあなたはどうしますか?

自己防衛が自身の財産を守ります。


質問・・・・ あなた土地にある擁壁に時限爆弾が仕掛けられていたらどうしますか?

 もしあなたが購入した土地の擁壁に、数年後にコンクリートを破壊する「時限爆弾」が仕掛けられていたら・・・・・


擁壁に時限爆弾が仕掛けてある?、いきなり物騒な話ですね。
このページでは、「コンクリートの爆裂」について話します。

「コンクリートの爆裂」てなあに?

当然、ある日突然、擁壁が木端微塵に爆発して無くなってしまうわけではありません。
しかしとても深刻な問題であることは、ご認識ください。

・鉄筋コンクリート構造物(RC造)に起きる現象です。
・鉄筋の錆(さび)、腐食により、鉄筋が膨張し、内部からコンクリートが破壊されます。
・擁壁を始め、建物、橋などRC造の構造物で、起きる現象です。

「RC構造」とは?

・鉄筋コンクリート構造とは、鉄筋コンクリートを用いた建築、土木の構造物のことです。
・Reinforced-Concrete(補強されたコンクリート)の頭文字からRC構造またはRC造と略されます。

鉄筋には、引っ張られる力に抵抗する強さがあります。・・・・引張強度 この双方の良いところを合体したのが「RC造」なのです。(お互いの弱点を補ってるとも言えます)



コンクリートには、潰される力に抵抗する強さがあります。・・・・圧縮強度


なんでRC構造物で「爆裂」現象が起こるの?

原因① 鉄筋被り厚さ不足 鉄筋の表面に被っているコンクリートの厚み不足・・・・施工不良
原因② コンクリートの中性化 中性化とは、二酸化炭素によって生じる、鉄筋コンクリートの劣化のひとつ。コンクリートは主成分がセメントであるため内部がアルカリ性であるが、外部からの炭酸ガスの侵入によって中性になると鋼材の不動態被膜が失われ、耐腐食性が低下する。
原因③ コンクリートの品質管理不足 いくら、「鉄筋被り厚さ」が確保されていても、品質の悪いコンクリートを使用すると、雨水、二酸化炭素の侵入を防ぐことができず、同じ結果となります。・・・・管理不良


コンクリートの被り厚さの不足により、コンクリートに雨水等または、二酸化炭素が浸み入り、鉄筋を錆させ、鉄筋が腐食、膨張して「コンクリートの爆裂」を引き起こします。



鉄筋の被り厚さ寸法・・・・・・建築基準法施行令79条参照

(鉄筋のかぶり厚さ)
第七十九条  鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあつては二センチメートル以上、耐力壁、柱又ははりにあつては三センチメートル以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあつては四センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあつては捨コンクリートの部分を除いて六センチメートル以上としなければならない。


右の図が、上の条文を擁壁用に略図化したものです。

土に直接触れている部分は、60mm
空気中は40mm

この寸法が確保されていないと、「爆裂」現象が起きる確率が格段に高くなります。


いつコンクリートの爆裂が起きるの?

この「いつ」を表現させていただくために「時限爆弾」という言葉を使わさせていただきました。

原因①~③の兼ね合いで、いつ起こるのかを断言するのは難しいのですが、概ね10年以内といえます。

程度が悪ければ、10年以内でも起きている事例は沢山あります。

品質管理無視の手抜き工事が行われた時点で、コンクリートの中に「爆裂」という、時限爆弾が仕掛けられたのと同じことなのです。

あなたならどうしますか?

・もしあなたがこれから購入をしようか検討をしている土地にある擁壁に「コンクリートの爆裂」の兆候が出ていたら。

・土地購入後数年で、想定外の補修費用が発生したら?

・瑕疵担保責任はどうすればいいのか?  補修費用はいくらくらいかかるのか?

・新しく擁壁を造り直したのに、手抜き工事により「時限爆弾」が仕掛けられていたら?

・ここで大切なことは、以上のことをただ心配したり悩んだりするのではなく、事前に正確な情報(知識)として理解していれば、リスクは回避出来るということです。


コンクリートの爆裂現象事例 築5年のRC擁壁

鉄筋が膨張しコンクリートが膨らみ出し、縞状の模様が浮き上がってきている。
放置すれば、どんどん症状が進行し、鉄筋の腐食が進み、コンクリートが剥がれ落ち出します。


最後まで、お読み頂きましてありがとうございます。

 ここで説明をさせて頂いた内容は、代表的な事例を、分かり易く説明をさせて頂いたつもりです。現実の土地取引の場合には、その他の問題も含め、複雑な事例があるのが現実です。これから土地を買おうとしているあなたは、購入後に後悔をしないよう、自己防衛することを忘れないでください。

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